三浦瑠麗『孤独の意味も、女であることの味わいも』(新潮社)
救えない子なんていない。
人は大小、傷を抱えている。
自分を定義づけるのは自分。
出来事や外部ではない。
女であることを味わうことについて、
そして孤独の意味について、
著者は、自身のこれまでの人生の告白をもとに、
静かに語る。
三浦瑠麗氏は、若手の国際政治学者として、
各種メディアで活躍している。
彼女の自叙伝的著書は、衝撃を持って受け入れられ、
大きな話題となっている。
自叙伝は、三浦氏のような孤独に自分を見つめる誰かと、
「無数の私」のために書かれている。
過去の経験に対する慰めや、告白したことに対する勇気を
評価する言葉は不要だろう。
彼女の言うとおり、他者に「自分」を定義づけるさせるべきではない。
自分がどう定義づけるか、それは孤独な作業である。
とはいえ、私たちの誰か認めてもらいたいという
承認欲求は、際限ない。
であるなら、まずは、自分を認めることから
始めるべきであろう。
三浦氏は言う。
幸不幸に関わらず、過去の体験は無駄ではなく、
後になり必ず、その実りがもたらされると。
是非一読してほしいと思う。